【破綻の構図】老舗出版社(株)商業界、経営の変調は10年前から

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200501_04.html

経営の変調は10年前から

 35年前に商業界と出会い、「商業界ゼミナール」に30回参加したスーパーマーケットの経営者(以下、A会長)に話を聞いた。商業界ゼミナールは1950年代に箱根の旅館で始まったが、A会長が35年前に初めて参加した合宿ゼミナール会場も箱根の旅館だった。当時、2,000人が参加したと言う。
 その後、「商業界ゼミナール」の会場は箱根から熱海に移り、10年ほど前から幕張プリンスホテル(現・アパホテル&リゾート東京ベイ幕張)に移った。A会長は、幕張に会場が移った頃から様子がおかしくなったと語る。
 「ゼミナールの運営が機械的で、マンネリ化してきた。カリスマ講師がいなくなったことが一番大きかった。読売新聞出身の渥美俊一氏が商業界では最後のカリスマ講師だった。渥美氏はチェーンストア研究団体のペガサスクラブを運営し、商業界でも講師を務めたが、2010年7月に83歳で他界した。2003年8月に商業界社長に就任した結城義晴氏は熱い人物で、商業界を改革しようとしたが、社長就任からわずか4年後に独立してしまった」と残念そうに語った。
 商業界の破産申立書によると、この10年間で売上高は約44%、売上総利益は53%減少した。一方で、借入金は1億5,000万円増加している。A会長が感じた経営の変調は、この10年間の業績悪化と歩調が合う。

2020年05月08日 | カテゴリー : ブログタグ: